とある図書館司書見習いのブログ

図書館情報学や図書館のあれこれについて語る。

図書館では貸出履歴が残らない!?

みなさんこんにちは、ロコです。

図書館を利用される方であれば既にご存知の方も多いかもしれませんが、多くの公共図書館では貸出履歴が残らないようになっており、後から何を借りたか知りたくて図書館に聞いてもわからないことが多いと思います。

 

公共図書館では基本的に個人のプライバシー保護の観点から貸出履歴は残さないようになっています。

その他、公共図書館の基本的な態度として、不必要な個人の情報となりうるものに関しては残さないようにするというのがたいていの図書館の方針かなと。

 

これは公共図書館がこれまで歩んできた歴史の一端でもあるのですが、個人情報保護に関して図書館は強い意識を持っており、司書資格取得の際にも個人情報の保護について学びますし、また図書館に入ってからも個人情報を扱う機関であるため、研修が行われ、一人一人の図書館員が個人情報保護に関して意識を持つように教育を受けます。

 

個人の情報を管理する一公的機関として、なぜそこまで強い意識を持つのかといえば、今の社会全体がそもそも個人情報の漏洩に関して敏感になっているというのもあると思います。

 

そして貸出履歴を残さないようにしているのは、それらの履歴から借りた人の趣味嗜好が漏れないようにするためです。

自分から好きな本や読んだ本を発信する分には嫌な気持ちになられる方もいないと思うのですが、利用している図書館から自分の読んだ本や好きな本の情報が漏れてしまったら嫌ですよね。

 

一人一人のそうした情報を保護するため、たとえ利用者の家族であっても貸出している本や予約している本については伝えないようにしています。

 

家族なのに何で教えてくれないの?と疑問に思った方もおられるかもしれませんが、本人の口から言う分には問題ないと思うのですが、私たちが勝手に伝えることはいけないことだと思いますし、家族であっても一人一人のプライバシーは守られなければないと考えているからです。

 

また警察から捜査のために上記の情報を求められる場合もありますが、こういった時もプライバシー保護の観点から、警察だからといってすぐに情報提供しないよう注意を払っています。

 

 

さてさて、そうはいったものの図書館で働いていると利用者からこれまでに読んだ本の履歴残ってますか?確認できますか?と聞かれることは結構多いです。

それだけ需要があるということですね。

 

そういった場合こちらでも履歴は残らないようになってますと伝えて、ご自身で何らかの形で残してもらうように伝えてます。

 

ですが、最近は図書館でも読書履歴が簡単に残せるような機器ができているようですね。

プライバシーの問題が気にかかることではありますが、読書履歴に関しては一定の需要もありますし、そうした機器があるのは便利だと感じます。

 

 

「読書通帳」女の子の通帳には合計50万円

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20190305-00000099-nnn-soci

 

読書通帳という形で利用者自身の読書履歴が残せるのは面白い取組だなと感じます。こうした取組が全国的に広がっていくのはいいのではないか?と個人的には考えています。

理由としては図書館側が履歴を残すというよりは利用者自身で機器に通帳を通して履歴を残すような形になっているからでしょうか。履歴を残しておきたい方だけに利用される形になってるところがいいところかなと思います。

また借りた本の価格が印字されるのもとても面白いなぁと。これで図書館に親しみを持って来てもらえるようになったらとても嬉しいことですね。

 

どういったシステムになっているのかは気になるところなので、是非一度利用してみたいですね。