とある図書館司書見習いのブログ

図書館情報学や図書館のあれこれについて語る。

図書館で借りた本を雨水や飲み物で濡らしてしまった時は...

図書館で借りていた本が雨に濡れてしまった、飲み物や食べ物をこぼしてしまって汚れてしまった等、借りた本とはいえ家に持ち帰って読むことになりますので、そういったことがあやまって起こってしまうということはなきにしもあらずかと思います。

 

というか公共図書館で働いていますとたまにありますので、そういったことが起きた際の注意事項や心構えなど一図書館員としていろいろお伝えできることをここでお伝えしていこうかと。

 

*あくまで一図書館で働く一図書館員の意見ですので、どこの図書館も同じ対応で行なっているのかと言われれば、「そうです。」とは言えませんので、万が一本を濡らしてしまった場合は直接本を借りた図書館に問い合わせしていただきますようお願い致します。

 

 

まずは雨水で濡れてしまった本について

私が働いてる図書館でちょくちょくあるのは雨の日に本を返しにきて濡れてしまうといったことです。
返却予定日が今日までだったから、返せる日が今日しかなかったから等、いろいろな理由はあるかと思うのですが、あくまで図書館から「貸出」をしている本などで濡らさずに持ってきてもらえるのが一番助かります。

 

 

鞄の中に入れていても濡れてしまっているケースもありますので、そういった場合は雨の水が鞄の中に入ってしまうようなもの等は極力避けるか、あるいは水を通さないようなビニール袋で保護しておくかで雨水から守ってもらえるようにしてもらえると嬉しいです。

 

手提げバッグ等はかなり危険かと思いますのでご注意を

 

 

雨の日は避けるということも...

あるいは雨の日には持っていくのをやめるというのも手だと思います。

図書館に電話すれば本の延長ができるかもしれませんし、あるいは今日は雨が降っているので持っていくのが難しいと事情を伝えてくだされば理解してくれると思います。


うちのところでは「そうですよね。それでしたら返せそうな日にまた...」というような形でお願いをしています。
*返却期限を守ろうとしてくださる行為自体はとてもありがたいことですし嬉しいことです。

 

 

 

お家で飲み物をこぼして本がぬれてしまった時は...

図書館が開館中ならすぐに図書館の方にその旨伝えてください。(電話でOKなので)
そしてすぐに持っていけそうであれば、図書館に持っていくのが一番かと思います。

 

 

図書館には水に濡れてもできる限り元の状態を保てるようにする専用の機器(プレス機)がありまして、まず水抜き作業のために一枚一枚本の間に紙を挟んで、なるべく本が変形して読みにくくならないようにプレスをかける方法があります。(イメージとしては本の形が歪まないように重いものを上から乗せる感じです。)

 

*というのも水に濡れたままほっておくと本が乾いた時には形が元の状態からかなり歪んでしまっていて読みにくい状態となり、次に読みたいと思われている方に提供するのが難しくなってしまうのです。

 

もしも他の方に提供するのは難しいだろうと判断された場合、図書館によっては弁償になることもありますので、あくまで図書館から借りている本であるということを忘れずにできる限り大切に扱っていただけると幸いです。

 

ただこちらもできる限りの努力をして水抜き作業をしますのですぐに伝えていただければ幸いです。

 

 

閉館時間や休館日に濡らしてしまったら...。(ただし休館日の場合は電話での問い合わせのみ受付してる場合もあります。)


あまりオススメするべきではないかもしれないですが...濡れているページの箇所に1枚1枚丁寧に紙を挟んでいき、挟んだ後は重いものを上から載せて本が広がないようにする。というのが一つの方法です。

 

 あるいはもう一つの方法として(自分でやるよりはこっちの方がいいと思います)、そこが市立の図書館であれば、開館中である他の市立運営の図書館に問い合わせするというのも手だと思います。


というのも通常一つの市にはいくつかの図書館がわかれて設置されてることが多く、そうした図書館は同じ組織(市)の元で運営されていることがほとんどだからです。

 

市内で一枚図書館カードを作れば他の市内にある図書館も利用が可能となるように、問い合わせも可能だと思います。
(言い方は悪いですが基本的に公共図書館というのは本を借りる際には図書館カードがいりますが、館内で本を読むだけならどなたでも入館OKですし、利用可能です。)

 

 

 

というような感じで長くなってしまいましたが、万が一本を濡らしてしまった時の対処法についてお伝えさせていただきました。
少しでも参考になれば幸いです。

 

あやまって本を濡らしてしまったということは公共図書館で働いていればよく見かけることです。ですので、万が一濡らしてしまっても事情を伝えていただいて、図書館の利用を変わらず続けてもらえるとうれしいです。


場合によっては弁償になってしまうこともあると思います。できる限りわたしも極力それは避けたいと思っていることですが、公共図書館の資料は市民の財産でもありますので、それをお願いせざるを得ない時もあります。


ですがすぐに用意してくださいといった要求はしないと思いますし、これが原因で図書館の利用をやめてしまったら...という風にも思っていますので。

その辺りのこともご理解くださると幸いかと。

 

 

(こちらには事情を一切伝えてくれず返却ポストに返される方もいます...。とても悲しいことですが...)