とある図書館司書見習いのブログ

図書館情報学や図書館のあれこれについて語る。

図書館内でおこる高齢者や認知症の方のトラブルについて考えてみる。

図書館が「老人の館」に!トラブル続発で逆ギレ、怒号も

https://diamond.jp/articles/-/184597?display=b

 

 

今日はこんなタイトルで思いっきり煽っちゃってる記事を読んだので、それを受けて現場にいる一図書館員として思ったことをいろいろ書こうかなと。

 

まず、この煽りタイトルはどうなのよ...?と思ってしまうところはあるのですが、中身を読んでみると図書館界隈が感じているこれからの図書館の課題についてしっかり書かれているようにみられて、ちゃんとした記事じゃん!と思いました。

 

 

それだけにこの煽りタイトル(いわゆる炎上商法?)はもったいないと思ってしまったのですが、PV数稼ぎには仕方ないのかな...?

 

そんなことはさておき、私も日々働いてる中で、図書館内のいろんなトラブルに対応せざるをえないということはままあります。

 

公共図書館によってはそのようなトラブルからは一切無縁、利用者同士のトラブルがあったというような話をするとびっくりされることもありますが、これから先、高齢者の割合が増えていく中でどの地域の公共図書館も避けて通れない道となるのではないかな...?と。また、こういった問題に関しては地域性のようなものもありそうです。

 

そういった意味ではまだまだ若いうちから様々なトラブルに見舞われて経験を得ることができたことについて、一図書館員としてよかったのかも?と感じることもあります。

 

 

さて、図書館内(ここでは公共図書館に絞りますが)でのトラブルについてですが、確かに高齢利用者がきっかけでトラブルにつながることはよくあります。けれど、トラブルを起こすのは高齢者ばかりではない、年齢は関係ないというのも事実だと思います。

 

あくまでこれは私の経験をもとにした話であり、根拠はないのですが、子どもから大人、そして高齢者まで図書館内でおこるトラブルのきっかけは決して高齢者ばかりではありません。

 

子どもも館内で走り回ったり、大きな声で話したり、中高生くらいの子は友達同士で雑談をしたりと、静かに本を読んでいる利用者に迷惑がかかる行為をする場合があります。

また図書館への意見や苦情などは大人の方で年齢関係なく言ってこられる印象です。利用者と図書館員双方の話し合いがなかなか進まない時などは、利用者の方がなかなか納得してもらえず、図書館員の業務が滞ってしまうこともあります。

それと利用者によっては図書館員に怒声を浴びせたりして、対応している図書館員が危険を感じることも...。

ただ、苦情によっては図書館員の方が100%悪いということもあるので(ミスをして利用者に迷惑がかかる)、図書館への苦情全てが悪いとはいえません。(身の危険を感じるような行為は明らかによくないと思いますが。)

 

後はそうですね。アルコールに酔った状態で来館される方もいて、館内にいる図書館員や利用者の方に絡みにいく人なんかも...。

 

まだ子どもについては注意をすると言うことを聞いてくれる子も多いのですが、アルコールに酔った人なんかはなかなか注意しても言うことを聞いてくれず...かといって無理やり追い出すのも難しかったり。

 

最悪、警察を呼ぶこともありますが、警察を呼ぶまでもないラインで迷惑行為をする方もいて、その辺は本当に難しいところです。

 

 

まぁこんな感じで老若男女関係なく、図書館内にはトラブルが発生するわけですが、今回の記事で最も重要なのは高齢者あるいは認知症の方に焦点を当てたことでしょうか。

 

今後、いやもう既にですが、高齢者や認知症利用者への方に対する対応の仕方や図書館員が支援できることについて図書館界全体で考えていく必要があると思います。介護士や看護師等、医療関係者から学ぶ必要も出てくると思います。

 

日本は高齢者の割合が年々増えていくことは確実で、あくまで私の印象ですが、高齢者がトラブルのきっかけとなる場合が、他の年齢層に比べて多く感じるのも事実です。(あくまで私の印象です。)

 

私も既に認知症の方への対応をした経験がありますが、その時は介護士さんでしょうか、付き添いの方がおられましたが、それでもやはりコミュニケーションを取るのは技術が必要になると感じています。

 

高齢者についても耳の遠い方や視力の悪い方などおられ、そういった方々への案内の仕方は通常とは別の方法をとらねばなりません。(耳の遠い方に対して大きな声で話すことも最初は苦労したものです。)

 

またカウンターへ何度も同じことを聞いてくる方もいたりしますし、何を伝えようとしてるのかわからない、コミュニケーションを取るのがとても難しい方もおられます。どうすれば要望を聞き取れるのかもそれなりの技術が必要になるでしょう。

 

いづれ図書館界全体が高齢者・認知症の方への対応について考慮していかざるをえなくなるとは思いますが、今はまだ真剣に捉えられてないという感じがします。

 

実際、割合が多いといっても図書館内でのトラブルは稀ですからね。