とある図書館司書見習いのブログ

図書館情報学や図書館のあれこれについて語る。

図書館で働きたい人に。図書館の実情を話します。

図書館で働くまで僕自身、図書館という場所は静かなところ、落ち着いたところ、慌ただしさや忙しさとは無縁の場所と思っていました。

 

しかし、図書館スタッフを契約社員として雇用している企業に応募して、わりと簡単に受かって(たぶん人手不足?)、実際に雇われて、ある図書館へその会社から派遣されて働くようになってから思い知らされました。

図書館が全く想像していたところとは違う場所だということを。

 

 

図書館は想像してたのとは180度異なりとても忙しいですし、カウンターも混むことが日常茶飯事で図書館員は朝の出勤からずっと慌ただしい状態であると言っても過言ではありません。土日の休日は

特に忙しいです。

 

利用者からの電話による様々な問い合わせも結構頻繁にかかってきます。(電話がならない日は正直ないです。)

 

 

カウンターで行われる貸出返却の作業だけでなく返ってきた本を棚に戻す作業も結構大変ですし、利用者が入れない中(事務室)で行われる仕事もたくさんあって大変です。また返却で返ってきた本はさくさくと棚に戻していかなければ返却ワゴン(利用者が返却した本を置くところ)が大変なことになってしまうのです。そしてそれに費やせる時間というのもシビアだったりします。

 

時間自体も結構シビアです。1日のうちにやるべき仕事というのがだいたい決まっているのですが、それを終わらせないと次の日の図書館業務に支障が出てきます。

ですので一人一人の図書館員にも効率性やスピードが求められるのです。

 

 

 

後は今の図書館というのはとかく余剰人員を削減して経費の節減をしようと心掛けています。

ですので図書館スタッフは最低限の人員で稼働していることが結構多いです。

最低限の人員で図書館運営をすることで現場でなにが起こっているかというと、まずは休憩時間があってないようなものになってます。

例えばコンビニ店員でも二人体制でやっている所なんかは休憩中に人が混みだしたらどうしても行かないといけない時がありますよね。

その分休憩を余分に取ればいいわけですけれど、図書館員は取れないこともしばしばあります。

また何らかの事情でスタッフが一人出勤できないってことがあった場合、最低限の人員数よりも一人少ない状態になるので、その日に出勤してきた図書館員はいつも以上に大変なことになるわけです。(こんな職場環境で本当にいいの?と疑問に感じてしまう時もままあります。)

 

私自身余剰はあった方がいいんじゃない?と思っています。日々の業務に追われてしまえば、図書館をよりいい空間に変えるために費やせる時間がほとんど捻出できなくなってしまうからです。

 

 

 

またこの手の重労働や単純作業を今担っているのが契約社員などの形で雇用された図書館スタッフだと思います。

正規雇用で図書館に入ればまた異なる業務をすることになるかと思いますし、より創造的な仕事もできるかと思います。しかし現状として図書館司書を正規雇用で応募をしているところはとても少なく、また正規雇用で働きたいと思う人たちは多いので倍率はすごいです。

 

この正規雇用で雇用された司書と契約社員として働く司書の業務分担はしばしば階層社会といいますか、同じ司書には違いないのですが、勝ち組と負け組が同じ図書館で働いているといいますか、そうしたものを感じてしまう時があるのも正直なところです。

契約社員として図書館で働くことになればとても大変かもしれないよということをお伝えしておきます。

 

ちなみに図書館員として働きはじめたけど想像とは180度異なり早いうちに辞めて行く方も結構たくさんいます。

 

ですが、一方でやりがいを感じる仕事であることも確かです。カウンターで利用者とやりとりし、利用者の探している資料や、利用者の知りたいことを見つけ出すお手伝いができます。(レファレンスサービス)

 

利用者の方から感謝されるととても嬉しいですし、気さくにいろいろなことを話してくださる方もいるので、最も利用者とのコミュニケーションが取れる場所として、そこはとてもやりがいを感じています。

 

また返ってきた本を棚に戻す作業をやりながら館内のことについていろいろ状況を把握することができます。

よりよい図書館空間は?を1番考えることができるのはそういう時であるとも感じています。