とある図書館司書見習いのブログ

図書館情報学や図書館のあれこれについて語る。

図書館とLGBT〜マイノリティの人たちに焦点を当てる〜

今回はLGBTやLGBTQという形で今、話題になっている性的マイノリティの人たちとその方々に対して公共図書館ができることについて書いていきたいと思う。

 

まず、LGBTやLGBTQという名前が日本で話題に上り始めたのは本当にここ最近という印象がある。もともとアメリカかどこかの海外発信の言葉であると思われるが、この言葉がそもそもいつ作られたものかはわからないけれど、日本でこうして話題に上る前から性的マイノリティの方々はいた。

 

LGBTの略は

L=レズビアン

G=ゲイ

B=バイセクシャル

T=トランスジェンダー

である。

 

ちなみに僕は男性で性の不一致はなし。そしてヘテロセクシャル(異性愛)である。

 

それ以外の方々にも焦点を当てた時、上に記したLGBTだけではなく、調べてみれば本当に様々な性があり、性的指向があることわかる。

 

 

 性的マイノリティに対する理解への初めの一歩として、LGBTという言葉が発明され、公に拡散されていったことは現状を見る限り、LGBTの方々の存在が認知され、彼ら彼女らへの配慮が進むことを考えれば良かったのではないかと思う。

僕がいるところ含め民間企業等もLGBTに対する理解を深めること、性的マイノリティの方への配慮などができるように労働者への周知や啓発、LGBTについて学習できる機会を設けるなど、様々な取組を進めていっていること思う。

 

特に図書館は公的な機関となるのでLGBTへの理解や、それらの方々への配慮というものはより一層求められてくる。

実際問題、僕が勤務するところでも研修が行われて最低限の知識といった感じではあったが、あらためてLGBTへの理解と意識を持つことができるようになったと感じている。

 

こうした取組が図書館で言えば、利用者の中に性的マイノリティの方がいた時や職場内でいた時にどのような配慮がなされるべきかという行動につながっていくと感じている。

 

友だちに性的マイノリティであることを打ち明けて、その友だちが他の人にそれを言ってしまったことから、性的マイノリティであることが広まって自殺してしまったような悲しい事件もあるので、まだまだ特別な配慮というものが社会的に必要であるし、これはとても大切なことである。

 

そしてもう一つ大切なことがある。

それは上に記したようなマジョリティに焦点を当てた活動だけではなく、マイノリティの方々に焦点を当てた活動も同時に行わなければならないということ。

 

特に図書館はLGBT関連の資料も当然収集対象なので、その方々に対して様々な活動ができると考えられる。

まずは僕が以前にツイッターで記したことを見ていただきたい。

 

ここから↓ 

図書館情報学を学ぶ人のために/世界思想社/2017」のP94〜に性的マイノリティに関する記述があって、ここ最近はLGBTと言われてマジョリティ側(多数派)の人たちがマイノリティ(少数派)の人たちへの関心を持ち、理解を深められるような取組・施策が多い気がするけど、ここでは性的マイノリティの側にいる人たちが周りとの違いによる不安や自分自身への理解を深めていくことができるように、図書館が性的マイノリティに関する様々な情報をその方たちに提供する方法を提示していて(性的マイノリティに関する資料リストやパスファインダーの作成)、周りとの違いによる不安の解消やこの資料にも書かれているけど、そうした取組を通じて様々な資料に触れることで、性的マイノリティの方たち(この資料では特に自分の性的指向を自覚しはじめたティーンエイジャーに焦点を当てている)にとって精神的な拠りどころに図書館がなれる可能性があるのだなーと。

 

公共図書館(他の図書館もそうだと思うけど)はこれから積極的に取り組んでいくべきテーマの一つだなこれ。性的マイノリティに関する情報を収集していくことも大事ですし、情報があることを周知していくことも大事やね。それが性的マイノリティの方たちを救うことになるのであれば。

 

https://twitter.com/doll_loco/status/950399685730029568

 

おわり

 

僕が今回、LGBTについて書こうと思ったのは「図書館情報学を学ぶ人のために/世界思想社/2017」にLGBTに関する記載があったからであり、これを読んでもっともっと図書館は本腰を入れて取り組んでいくべきことだと感じたからである。

 

公共図書館には本当に多くの様々な資料があり、LGBTに関する資料も当然のことながら置いてあるので、LGBTの方たちがそうした資料に触れることで心の拠り所となったり、自分自身を理解することにも繋がっていくと感じている。

また周りとの違いに悩まされたり、家族や他の人にも打ち明けにくい状況にある中、図書館にあるLGBT関連の資料に触れることで少しでも救われる可能性があるのなら尚更である。

 

現状としてLGBTに関して社会的認知が進んでいくとは良いことだと思われるが、一方でまだまだ差別的な目線というのもあると思うので、図書館は性的マイノリティの方々に配慮しつつ、その方々に資料が届けれるような仕組みを作っていかなければならない。

 

マジョリティの側にいる方々が図書館にある資料を通じて学習していくことも大事だと思うが、それ以上にマイノリティの方々に読んでもらえるような提供の形を考えていく必要がある。

 

周りの目線があるような状況で読むのが難しい可能性もあるだろうし、目立ちやすいところに置けば関心のある人たちまで見るようになって、今それを一番必要としている性的マイノリティの方々に渡らないような状況になっては良くないと思う。

 

いろいろな試行錯誤が必要となってくると思う。

 

 

最後に

一図書館員として今伝えられることは、もし万が一性的マイノリティの方がこのブログを見ているのであればだが、公共図書館では複数資料を借りられるところが多いし、個人情報保護の観点から誰が何を借りたかといったような貸出履歴は残らないようになっているので、いろんな本といっしょに借りて読むのがいいのではないかと思います

理想としてはその本を借りたからといって、読んでいたからといって偏見や差別の目がなければよいのだけど。

 

 

 

 参考文献

図書館情報学を学ぶ人のために/世界思想社/2017

 https://www.amazon.co.jp/dp/4790716953/ref=cm_sw_r_cp_api_0aYwAb7XFX5W1