とある図書館司書見習いのブログ

図書館情報学や図書館のあれこれについて語る。

公共図書館を利用する人はお客様?利用者?それでも接客技術は学びます。

公共図書館もコンビニや飲食店等と同様にお客様という表現を用いると違和感はありますが、図書館を利用する方に対してスタッフは様々な接客を行わなければなりません。

 

コンビニや飲食店で接客するのと全く同じかと言われれば異なる部分もあるのですが、似ているところも多いと思います。(同じ公的機関である市役所等における接客の仕方とも似ていると思います。)

 

資料の貸出や返却、予約の受付、探している資料の案内、わからないことがあった時に共に問題解決に向けて適切な資料を探したりなど、そう言った時の対応はまさに接客だと感じます。

また図書館スタッフはカウンターでそういった接客を行うだけでなく電話でも延長手続きや予約の受付、探している資料の案内、図書館への行き方や図書館に聞きたいことがあればそれに対する回答等を日常的に行っています。

 

上に記したことを総称して図書館では図書館サービスと言い、利用者の方に対して図書館にある資料を利用してもらうために様々なサービスを提供しています。(もちろん図書館サービスはこれだけではありませんが。)

 

サービスという言い方を用いていると考えれば図書館を利用する方々はお客様なのかもしれません。

 ですが、図書館で働き始めた頃はよく悩んだものです。今も「お客様」というワードを用いることには少し違和感を感じています。

例えば、カウンターにて利用者の方の接客を行なっている時に相手のことを呼ばなくてはいけない状況というのが必ず発生するのですが、そういった時に「お客様」とお呼びすることに対して少し違和感を感じていました。

 

サービスを提供する側(スタッフ)と受ける側(お客様)と考えれば、その言葉を用いることに違和感を感じるのはおかしいのかもしれないですが。

 

昔は何か他にいい呼び方はないものかと考えたものです...。個人情報保護の観点からも相手のことを名前でお呼びするということも極力避けたいことですし、

また図書館に来てくださった人たちを利用者と呼ぶのが図書館界隈では普通だと思いますが、対面した時に相手のことを利用者と呼ぶのは明らかにおかしいです。

 

そういったことを考慮すると利用者の方々を「お客様」とお呼びすることが最も適しているのかもしれません。

 

そしてまた話は少し変わりますが、図書館で働きはじめればわかってくることですが、カウンターに立つ図書館スタッフにはそれ相応の接客スキルというのも求められてくるようになります。(「お客様」と呼ぶことがそれに拍車をかけているように感じます。)

 

例えばカウンターにて利用者の対応をする際は、丁寧な言葉遣いを心掛けなければなりませんし(これはまぁ社会人であれば常識やマナーといったものの範疇に入るかと思いますが)、相手がわかりにくい専門用語を極力使わないようにしたり、不愉快になるような言動をしないようにすることなど、言葉選びも大事になってきます。(また図書館を利用してもらえるように図書館スタッフと利用者の信頼関係というのがとても大事になってきますので。)

 

「こういった言葉は使わないようにすること」や「ここではこういった言葉を選びましょう」など、

そういったことも図書館で働いていると上から指導されていきます。(どこの世界でもそれは当たり前なのかもしれませんが)

 

時にはその言葉の選択に対して疑問に思うこともありますが、過去の様々な経験からより最善の言葉選びが形成されていってはいるので、僕も一応は納得をしている形です。

 

僕は過去にコンビニで長い間バイトをしていた経験があるので、少しくらいはサービス業という世界に理解があると自負していますが、図書館においてもコンビニで働いてた時に得た接客スキルがある程度役に立ちますし、そう考えると図書館はサービス業なんだな〜と様々な場面で感じさせられます。

 

「お客様は神様です」といったような形容には、ここ最近甚だ疑問を感じるようになってはきましたが、時にはその言葉をつい使ってしまいたくなるような理不尽な状況になることもありますので、これから図書館で働きたいと思っている方々にはある程度覚悟が必要になってくるかと思いますし、サービス業や接客業のバイトをしていたのであれば、それが活きてくる場面というのが必ずあると思います。

 

 そして最後にもう一つ、理不尽なことというのは行政から図書館業務の一部を委託されている民間企業で働く者であければなおのこと、上(行政)から下(民間企業)への現場の理解不足による理不尽な要求を突きつけられることも多々ありまして、そうしたことがある度、ストレスを抱えなければなりませんし、図書館の仕事とは本来関係ないのでは?と思うようなことも一つの図書館の仕事としてしていかなかればならない現状が図書館にはあります。(民間委託)