とある図書館司書見習いのブログ

図書館情報学や図書館のあれこれについて語る。

2019年秋開館予定の新和歌山市民図書館の指定管理者に「CCC」が選ばれた。

2019年秋開館予定の新和歌山市民図書館の指定管理者に応募していたツタヤで有名なCCCと図書館業界の重鎮TRC。

ツタヤで有名なCCCが選ばれたとニュースになっていましたね。

新和歌山市民図書館の運営はCCCがすることになるわけです。

参照記事はこちら↓

和歌山市駅に直結、「ツタヤ図書館」開館へ 最大規模:朝日新聞デジタル

https://t.co/BJBliCkdPW

 

 

どちらが運営するにしても興味のない話という方は多いかと思いますが、CCCによる図書館運営は何かと図書館業界からは批判が多いのです。

 

館内のお洒落な雰囲気を演出するためだけに高いところに設置された誰も届かないようなダミー本の数々とCCC独自の分類法など...あとは中古本を大量購入していたなんていうニュースもありましたね...。

 

ダミー本やCCC独自の分類法(恐らくツタヤでの経験を活かしてのことだと思いますが)に関しては僕はまだ実物を見たことないので正直なところ批判する気にはなれません。

 

"誰も届かないところに設置された明らかに閲覧を目的として置かれてない"ダミー本に関しては蔦屋書店の方で見かけたりはしていたので、こんなこと言うと批判の的になってしまうのでしょうが...そうした演出も一概に悪いとは言い切れないというのが僕の意見です。

 

批判は正論が多いのでこんなこと言うと震えてしまいますが...

 

 

あと、CCC独自の分類法も利用者目線で考えた時それは以前よりも不便なものなのかどうか?で判断されるべきと思います。

多くの図書館で利用されている日本十進分類法が長い歴史もあってすごいことは理解していますが。

 

 

今回に限らずCCCが公共図書館の運営する権利を得た時、いつもいろんな意味で人々を驚かせていて話題に上りますが、個人的にはそうした人々をあっと驚かせるような、あるいは話題に上るようなこれまでになかった図書館を活用してのチャレンジというのは見ていて面白いというのが正直な意見です。

 

これまでの図書館にあった既存の枠組みを越えて、ルールにとらわれない独自の取り組みといいますか、CCCは間違いなくいい意味でも悪い意味でも公共図書館に変革をもたらしてくれるのではないかとそんな気がしています。

 

ただでさえCCCはツタヤとしての認知度が高く、また人々のツタヤに対するイメージも悪くないと思います。最近はお洒落で清潔感のある蔦屋書店のイメージもあって、図書館もあんな風になれば行ってみようという気になる人もたくさんいるんじゃないかと。

 

図書館は地味なところも多いですからね。こんなこというと怒られそうですが笑

 

ただまぁお洒落にしてしまって利用者数は増えても利用者層に隔たりができてしまったら、それは明らかに公共図書館としてあるまじき姿ではあると思いますが

公共の場所ですので、老若男女問わず利用されるのが理想ですし、障がいをもつ方や海外の人も利用可能な場所でなくてはいけません。

 

 

 地域の活性化に図書館を活用する試みとして今回CCCを選んだことは正解だと思います。(利用者数を増やしたという実績もありそうですし。)

 

たださきほどのことや長期的な視点で観た時、持続的な運営が可能か?や一時的なブームで終わることなく利用者が果たして継続的に利用してくれるのか?そこは少し心配になります。

 

図書館を利用する人がいなくなってしまったら図書館の価値はないに等しいと思いますからね。